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核融合炉の内部では、プラズマが太陽よりも高温で燃え上がり、1秒間に1,000回も状態を変化させます。これは、人間が制御するにはあまりにも速すぎる動きです。2022年、DeepMindとスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)は『Nature』誌にある成果を発表しました。稼働中の核融合炉にある19個の磁気コイルすべてを、AIが同時に制御したのです。誰もその動きをプログラミングしてはいません。AIは、試行錯誤と報酬(トライアル・アンド・リワード)を通じて学習しました。
これこそが「強化学習(Reinforcement learning)」です。行動を起こし、その結果を確認し、調整し、繰り返す。この同じ手法が現在、実際の現場におけるスケジューリングやエネルギー消費の最適化に利用されています。もしあなたがそうした現場の運用に携わっているなら、これこそが最適化を学習するAIの姿です。
この手法の成果を見るために、核融合炉が必要なわけではありません。通常、ロボット義足(人工膝関節)の調整には、臨床医が何時間もかけて手作業で硬さやその他十数個の設定を調整し、患者の歩き方が自然に見えるようになるまで試行錯誤を繰り返します。しかし、ある強化学習システムがそれに代わって調整を行いました。設定を試し、患者が実際にどのように歩くかを観察し、調整し、繰り返すのです。
そのシステムは、これまでにその義足を一度も装着したことがない患者に対し、わずか約10分で自然な歩行を見つけ出しました。
ブライアン・クリスチャン著の『The Alignment Problem』は、システムがいかに「私たちが意図したこと」ではなく「私たちが報酬を与えたこと」そのものを追い求めるかについて書かれた本です。著者は、機械が最適化を「やりすぎた」ときに何が起こるかという実話を紹介しています。AIに実際の運用プロセスを任せようと考えているなら、まずこの本を読むことをお勧めします。
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