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IoT異常検知:予期せぬ事態を予測するためのデータサイエンス(前編)

  • 2020.2.6
  • 著者:Rosaria Silipo (KNIME)

    原文:https://www.knime.com/blog/iot-anomaly-detection-101-data-science-to-predict-the-unexpected

    IoT異常検知入門:予期せぬ「異常動作」を予測するデータサイエンス(前編)

    データサイエンスおよび人工知能(AI)技術は、長年にわたって様々な「予兆」や「異常」を検出するために適用されてきました。
    その応用範囲は広く、以下のような分野で既に活用されています。

    • IoTにおける機械部品のライフサイクル制御(予兆保全)
    • 製造ラインや店舗での行動検知・予測
    • 生物学のDNA断片化解析
    • 製薬業界での創薬プロセス
    • ソーシャルメディアでの感情分析
    • クレジットカード取引での不正検出
    • 疫学における疾患波の予測
    • ECG信号の心拍分類(医療ヘルスケア)
    • セキュリティ分野での顔認識・音声認識

    Webで「機械学習のユースケース」を検索すると、多岐にわたる事例が出てきますが、本記事では特に「製造業・IoTにおける異常動作の検知」に焦点を当てて解説します。

    一般的に、機械学習プロジェクトを成功させる鍵は「十分なトレーニングデータ(教師データ)」です。
    しかし、製造現場における「異常検知」にはある特有の課題があります。それは、「故障データ(異常データ)が圧倒的に少ない」という点です。これがデータサイエンスプロジェクトの難所となります。

     

    異常検知・行動検知における機械学習の活用

    機械学習アルゴリズムを適切に適用すれば、機械部品の劣化を予測したり、サイバーセキュリティの侵害(異常な振る舞い)を即座に検出したりすることが可能です。
    データサイエンスの手法は、IoTやセキュリティの分野で既に多くの実績があります。

    例えば、「IoT」での機械学習の典型的な使用法として「需要予測」があります。

    • レストランの来客数予測
    • 商品の販売数予測
    • 明日のエネルギー消費量予測

    これらを事前に把握することで、計画的なリソース配分が可能になります。

    また、ヘルスケア分野や「行動検知」の文脈でも、IoTとデータサイエンスの組み合わせは一般的です。
    ウェアラブルデバイス等からリアルタイムに大量のデータを取得し、健康状態や人の動きを評価します。

    そして、製造業における「IoT」の最も重要な活用法が「故障予測(予兆保全)」です。
    機械の部品がいつメンテナンスを必要とするかを予測できれば、最適なメンテナンススケジュールを計画でき、機械の寿命を延ばし、ダウンタイム(停止時間)による損失を防ぐことができます。

    高価で複雑な機械部品を扱う現場において、これは極めて大きなメリットです。過去の故障データ(ラベル付きデータ)が存在する場合、このアプローチは非常に強力です。

     

    異常検知の課題:予期しない「異常動作」を探す

    しかし、「異常検知」はデータサイエンスの中でも特殊な専門分野です。
    ここでの「異常」とは、極めて稀な事象であり、過去のデータや現在の知識では想定できていないイベントを指します。

    • 現在の知識では、いつ起こるか予測できない。
    • これまでの「閾値監視」などの手法では特定できない。

    異常検知の難しさは、「事例がなく、事前に予測もできないイベント」を探さなければならない点にあります。
    一見不可能に思えるかもしれませんが、現場では頻繁に直面する課題です。

    • 不正なトランザクションは滅多に発生しませんが、手口を変えて予期せず発生します。
    • IoT化された高価な機械部品が、何の前触れもなく突然「異常動作」を起こし故障します。
    • 心電図に、見たことのない形状の新しい不整脈が表示されます。
    • 未知のサイバー攻撃により、セキュリティログに奇妙な痕跡が残ります。

    これらに対しては、ラベル付きデータ(過去の故障例)に基づいた従来の教師あり学習アプローチは適用できません。
    この問題を解決するのが、「正常なデータのみから学習する」というアプローチです。

     

    IoT異常検知の概念図:正常データとの距離測定

    図1.正常に稼働しているシステムからの信号でモデルを作成し、元の信号と予測信号間の「距離(ズレ)」を測定することで異常アラームを検知します。

    IoTデータの場合、機械コンポーネントに設置されたセンサーから時系列データが生成されます。

    通常、機械部品は正常に機能しており、破損例はほぼゼロです。故障が発生してライン全体が止まる前に、部品は交換されるからです。
    そのため、IoTにおいては「実際に発生する前に、わずかな異常動作の可能性を予測すること」が重要になります。

    この「正常データしか手元にない」状況下で、いかにして故障の予兆を捉えるか。
    具体的なアルゴリズムと実装手法については、後編で詳しく解説します。

     

    ▼ KNIMEで実装する異常検知

    ノーコード分析ツールKNIMEを使えば、複雑な異常検知モデルもGUI操作だけで構築可能です。

    KNIME は無料でダウンロードが可能です。
    ぜひお試しください。

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